先日から、図書館で借りてきた本を参考に、コラムを書いています。
人気の旅行情報は皆さんよくご存知でしょうから、私は大好きな文学や歴史を参考にしてみようと思っています。
そこで今日は、小学館発行の SHOROR TORAVELシリーズの「名作を生んだ宿」を参考にしてみようと思います。
一冊の本を全部ご紹介することは難しいですから、私の好きな作家さんを中心にご紹介します。
◎名作を生んだ宿」のP120。夏目漱石『二百十日』です。
山王閣 ※熊本県・内牧温泉
漱石さんが教師時代に、この宿で句をひねり、阿蘇山中を歩いたそうです。
「囲ひあらで湯槽(ゆぶね)に逼る(せまる)狭霧(さぎり)かな」
「雪隠の窓から見るや秋の山」
これらは、文豪・夏目漱石が、熊本は阿蘇長の内牧温泉の宿でひねった俳句です。そして、その温泉の宿が阿蘇五岳の雄姿を一望に見渡せる位置に立つ「山王閣」でした。
明治32年(1899年)9月。その頃漱石さんは、熊本第五高等学校の教壇に立つ身でした。同僚のひとりが東京へ転任することになり、漱石さんはその友と連れ立って、阿蘇近辺を旅して歩いたのです。「山王閣」の湯につかり、肥後訛りの仲居さんを相手にエビスビールを飲んだ二人は、そこから阿蘇登山を敢行し、折からの悪天候に道を見失い、遭難寸前の羽目に陥ったそうです。
漱石さんの手帳には、『阿蘇の山中にて道を失ひ終日あらぬ方にさまよふ』と記されるのでした。
この体験が、後年、小説『二百十日』にまとめられました。原稿そのものは、東京・千駄木に引き移ってから書かれたのですが、山王閣での句作や手帳のメモ書きは、作品の草稿として重要な意味を含んでいました。山王閣が『二百十日』起草の宿と称される所以でしょう。
漱石さんが逗留した建物や部屋は、記念館の形で往時のまま保存されています。
■旅行情報
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